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ひき逃げの重罰化か救護の緩刑化か?
 危険運転致死傷罪ができたために、却って、ひき逃げをする人が増えたようです。たぬきは、同罪が設けられるというときに、すでにこれを心配していました。却って、飲酒がばれないように逃げてから出頭するという人が増え、そのために、助かる人が助からなくなる危険が増すという心配を。
 以前、警察幹部がひき逃げをしたときの記事で、警察幹部問として激しい社会的非難を受けるだけでなく懲戒免職になることが怖かったという話を読んだことがあります。この場合は、飲酒に限らず、公務員の失職という制裁の問題ですが、同じ危険を孕んでいました。
 そのような心配をしていたら、やはりそれは当たっていたようで、さらに、次の心配、つまりひき逃げ自体のさらなる重罰化という声が出てきました。いわゆる「重罰化スパイラル」です。ただでさえ、刑務所の過剰収容で納税者の負担が大きくなるのに・・・。このような話を聞くたびに、イソップの「北風と太陽」を思い出します。
 発想を変えてみたらどうでしょう。刑法には、43条ただし書きに「中止未遂による刑の減免」規定がありますし、228条の2には身の代金目的誘拐罪等に解放減軽の規定があります。いずれも、被害者にとっては、さらなる被害を防ぐ機能をもっています。
 同じように、交通事故の場合にひき逃げを重罰に処するのではなくて、真摯に被害者を救護した人物に刑の減免という特典を与えるのです。それも、飲酒運転の場合でさえも。
 そうしたほうが、少なくとも、ひき逃げをしようとする動機の一部は消し去ることができます。また、公務員の失職規定も、真摯に救護に当たった人物に対しては、適用を免除すべきでしょう。このようにして、刑を用いないことを、さらなる被害防止のための誘引として用いるべきです。すでに中止未遂規定や解放減軽規定で、刑法はこの政策を採用しています。交通事故にも、用いない手はないと思いますが。
| 刑法 | 15:12 | - | - |